2020
11
Jun

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沖ノ島のダイビング【神宿る島】への敬意を忘れない

沖ノ島タカベの群れ

2011年の夏だったと思います「GoogleEarth」で沖ノ島を眺めていました。
掲載されていた写真は冬っぽいイメージの大時化の沖ノ島。第一印象は「怖いな」このイメージだけは覚えてます。

当時、AIRのお客様が主役の「福岡の海限定の水中写真展」を企画進行していた時期で、その時撮影で使っていたダイビングポイントは「志賀島」と「福津の恋の浦」の2つのみでした。僕もお客様もみんなピリピリしてた時期で(僕だけか)、何かテコ入れできないかと思い玄界灘の海を眺めていました。まあ結局、沖ノ島には行かなかったんですけどね。

福岡の玄界灘に浮かぶ絶海の孤島【沖ノ島】。古くより女人禁制が守られており、2017年にユネスコ世界文化遺産に登録される。対馬海流の恵を受けた素晴らしい海。2019年のダイビングで撮影した水中動画の総集編。

2016年に沖ノ島でダイビングをする事に‥

それから5年が経ち、相方の松石が「沖ノ島」行こうよ。と突然言い出したんです。
信頼できる船長と縁があったらしく、その翌月にはダイビング経験豊富なお客様と遠征ダイビングに出かけました。その時は「1回限り」という感覚で沖ノ島に出向きましたから、一応カメラも持って行ってました。

これが福岡の海かよ‥

初めて潜った時の感覚は、、
「石が大きいな」という印象、これは「岩」とは違います。

色々な所で潜ってきた比較なんですが、まずダイビングは岩がメインである事が多いです。大地と一体になった複雑な形の岩って感じでしょうか、様々な岩などを基点としてルートを考える事が多いです。

ただ、この「石」という表現は、例えるなら海岸沿いで拾えそうな「角が削れて丸くなった石」が何十メートルのサイズでゴロゴロ転がっている、そんな風景が沖ノ島にはあります。そこにダイバーがいると遠近感に違和感を感じるほど。

これだけ豊かの漁場であれば、通常海中にも人の手が加わっています。沖ノ島は初見で「素晴らしい大自然と伝統」を肌で感じさせてくれました。この島の伝統を守ってきた方々の努力は計り知れません。

初めて沖ノ島でダイビングを行った時の動画

2016年8月6日
短編 https://youtu.be/e6cqduiXIyQ
長編 https://youtu.be/6kFqHc2Rzgc

2017年にユネスコ世界文化遺産に登録

結局高頻度で沖ノ島ダイビングを続けていた2017年。沖ノ島のボート上で「世界遺産登録」の知らせを聞きました。色んな方が努力をされて登録に至ったんでしょうが、本当にすみません、、僕はかなり落胆してしまいました。「世界遺産」というだけで人が集まる。沖ノ島の伝統が「ブランド」に変化してしまう事が恐ろしかったです。「ブランド」=「ビジネス」ですからね。という僕も多くの撮影案件を頂いたり「世界遺産」って書いちゃってるクズですが。リアルに伝統を守っている方々の負担が増えない事を切に願います。

福岡県民の宝

2017年から「沖ノ島で潜りたい」という問い合わせが急増。
因みに弊社AIRは、一見様とのドリフトダイビングは会社のルールとして禁止しておりますので、全てお断りしております。ですので沖ノ島に行っているダイビングの参加メンバーは、いつも福岡の海で一緒に潜っているローカルダイバーです。

古事記の天照大御神のように、賑やかな事を嫌わない神様なら良いですけど、節度を超えた遊びはNGだと考えます。

ダイバーの皆さん。沖ノ島は「神宿る島」として多くの人達が伝統を守ってきた島です。この海域でダイビングを行う際は、ダイバーとしての技術とマナーをしっかりと身に付けた上で潜水を行い、常に敬意を忘れないで下さい。

そして福岡県民として、この沖ノ島が末長く守られて行く事を切に願います。